専門学校中退は就職できない?就活の難易度が上がる3つの理由は?

日本全国に点在する専門学校には様々な種類がある。看護や保育、福祉など、医療従事者になりたい学生のためにカリキュラムが整えられている学校もあれば、スポーツ、ファッション、アニメ、経営といったように全く異なる分野の専門学校も存在しているのだ。そのため、就職活動を見据えて確実にスキルを得られる専門学校に入学するのは賢い選択だと言える。

しかし、中には事情があって専門学校を中退してしまった、という人物も居るのではないだろうか。専門学校を中退した場合、しばしば就職できないという声を聞くこともある。学歴にも中退した事実は残るため、将来を不安視する者は決して少なくないはずだ。本記事では「専門学校を中退したら就職できないって本当?」と悩む人物に向けて、中退者が抱える3つの問題点や解決策を解説する。

専門学校中退は不利?就職できないと考えられている理由をチェック

専門学校中退は不利?就職できないと考えられている理由をチェック

専門学校を中退すれば就活で不利になる、という話を耳にしたことがある人物は多いのではないだろうか。実際、学歴に中退の二文字が残ることによって複数の問題が生じると考えられている。まずは就職できないと言われる3つの理由についてチェックしよう。

新卒枠で就職できない

専門学校を中退した場合に考えられる問題として、真っ先に挙げられるのが新卒枠で就職できないことだ。新卒とは、文字通り「学校を今年度中に卒業する・卒業した学生」という意味である。中退者は新卒に数えられない。つまり、企業の新卒枠で採用される可能性がなくなることが中退のデメリットとして考えられる。新卒枠採用は同期の多さや大手企業に多数エントリーできる点が魅力的なため、ひとつ枠が潰れるだけでも就職活動には悪影響だ。中途採用枠に応募する場合、会社が求めるのはスキルや経験など実務に役立つ能力を持った人物に限られる。新卒のアドバンテージはそれだけ大きいのだ。とはいえ、近年は卒業後3年以内に限り新卒枠に応募できる企業が増加した影響で「専門学校を中退する前に学校・大学を卒業した学歴が残っている」人物であれば新卒に当てはまる、というケースも存在している。再入学して新卒枠を得るのも手だ。

偏見の目で見られてしまう

履歴書の学歴欄に中退した事実をハッキリ記した場合、企業の採用担当にはいいイメージを与えることができない。これは中退の印象が悪いのが原因だ。学校を中退する学生よりもスキルを身につけた上で卒業する学生のほうが数が多いため、後者に比べて中退者は「不真面目」というレッテルを貼られやすい側面がある。専門学校を仕方なく中退するしかなかった人物でも、中々そうした偏見の目から逃れることはできないのだ。採用担当に悪い印象を与えれば、そのぶん就職できる可能性は減ってしまう。中退者に向けられるイメージの悪さが「専門学校を中退したら就職できない」と言われる原因のひとつだと考えられる。

応募可能な企業が限られる

専門学校へ進学すればスキルを得られる、そう考えて進路を決めた人物は決して少なくないはずだ。在学中に資格を得ることで就職活動を有利に進めるねらいがあったと考えられるが、途中で学校を辞めてしまった場合、限定的なスキルを得るに留まったのではないだろうか。専門学校で身につけられたはずの経験や資格を失えば、当然応募できる企業の数は限られる。自然と将来の選択肢が狭くなってしまうため、これもまた専門学校を中退した人物が就職できない理由の一つだと言えるだろう。

専門学校中退者が就職できない問題を解決するにはどう動くべき?

専門学校中退者が就職できない問題を解決するにはどう動くべき?

先の項目では専門学校を中退した人物が就職できないと言われる理由に言及した。しかし、複数ある問題を解決する方法には、はたしてどのようなものがあるのだろうか。

この項目では「就職活動を無事成功させるためにはどう動くべき?」と疑問に思う人物のために、下記の方法について解説する。

  1. 就職エージェントを頼る
  2. 専門学校中退後はブランクの期間を長く設けず早めに就活を始める
  3. 専門学校で取り組んだことや在学中に入手したスキルをアピールする
  4. 面接で学校を中退した理由を訊ねられた場合はポジティブに対応する

上記の項目通りに行動することによって生じるメリットをわかりやすく解説するため、最後まで目を通していただければ幸いだ。

就職エージェントを頼る

就職先を見つける手段として一般的に知られているのが就職エージェントだ。その名の通り就職活動のサポートをおこなうキャリア支援サービスで、リクナビやマイナビなど、様々な大手企業が求人紹介などを実施している。就活はES・自己分析・面接対策が必須のため、就職エージェントに登録・相談することで対策を強化した上で面接に臨むことが可能だ。

近年は中退者に向けたサービスを提供する就職エージェントもあるため、不安でも安心して相談できる。インターネット上で気軽に資料請求できるため、申し込みの際は複数の就職エージェントを比較してみてはいかがだろうか。

専門学校中退後はブランクの期間を長く設けず早めに就活を始める

専門学校中退後はブランクの期間を長く設けず早めに就活を始める

専門学校を中退した学生が就職できない理由は前述した通りだ。しかし、偏見や新卒枠で就職できない点だけでなく、時には中退後のブランク(空白期間)について指摘されるケースもある。要するに、中退後に何をしていたのかを質問されるわけだが、ブランクの間に打ち込んだことがなかった場合、企業の採用担当に悪いイメージを与えてしまう。そのため、パート・アルバイトや資格勉強をせずに就活を始める人物はスピードが重要になる。デメリットになるブランクを打ち消すために、中退してすぐ行動しなければならないのだ。

特にやることが思いつかない場合でも、就活エージェントに相談する選択肢は残っている。自分ができることを考えた上で就職活動をスタートしよう。

専門学校で取り組んだことや在学中に入手したスキルをアピールする

専門学校を途中で辞めてしまった場合は「無事に卒業すれば入手できたはずのスキルを身につけることができなかった」というデメリットが生じる可能性が高いものの、入学直後にすぐ中退したわけでもない限り、必ず何かしらの経験は得ているはずだ。そこで、就職活動の際は専門学校で取り組んだことや、在学中に入手した資格があればそちらもアピールしてみるのも手ではないだろうか。専門学校の教育内容と就職先の業務内容に通じるものがあれば、即戦力として採用されやすくなる。自己PRや志望動機で上手く自分の能力をアピールして内定を獲得しよう。

面接で学校を中退した理由を訊ねられた場合はポジティブに対応する

面接で学校を中退した理由を訊ねられた場合はポジティブに対応する

企業の採用担当によっては面接中に一歩踏み込んだ質問をされる場合もある。特に、専門学校を中退した人物に対して学校を中退した理由を訊ねるケースは少なくない。こうした質問を投げかけられることで不快に思う人物も居るかもしれないが、担当者は正にこの瞬間の対応を見ている点に注意が必要だ。雑に回答したり、不愉快に思う気持ちを表情に出せば悪印象を与えてしまう。丁寧に対応するだけで良いイメージを与えることができるため、面接で学校を中退した理由を訊ねられた場合はポジティブに対応しよう。身体的・経済的な事情があれば素直に説明するべきだ。また、人間関係の悩みや学業不振によって中退した場合も事情を明かした上で能力が劣っていないことをアピールする必要がある。

中退した理由がネガティブな内容だった場合、面接中の対応でいかにカバーできるかが鍵だ。明るい表情でハキハキと話すだけでも印象が変わるため、就職エージェントを活用するなど面接対策に力を入れてみてはいかかだろうか。

「専門学校を中退すれば就職できない」は嘘!未経験でも就職可能

「専門学校を中退すれば就職できない」は嘘!未経験でも就職可能

本記事に目を通していただいている方の中には「中退すれば就職できない」と聞いてしまって専門学校の中退をためらっている、という人物も居るのではないだろうか。学業不振や人間関係のトラブルの他にも、経済的・身体的な事情など、その境遇は千差万別だと思われる。当然ながら、中退するよりも専門学校を卒業したほうが就活では有利だ。

しかし、中退を考えている人物の多くは「卒業したほうが有利」というメリットを理解した上で中退を視野に入れているのが大半ではないだろうか。就職活動が不利になるのを知った状態で中退を考えるほど追い詰められているのであれば、卒業のメリットを捨ててでも専門学校を中退するべきだ。さきほど解説したように、専門学校を中退しても就職自体は可能である。もちろん、事情が追いついた後に再入学するのも手だ。人生の選択肢は無限に広がっている。あらためて本記事で紹介した内容を振り返ってみよう。

  • 専門学校を中退した人物が就職できないと言われる理由としては、偏見や新卒枠に応募できない点が挙げられる
  • 就職エージェントを活用してES・自己分析・面接対策などを実施することによって就職活動を有利に進められる
  • 中退後はなるべくブランク(空白期間)を設けないことが重要である
  • 在学中に取り組んだことや得た資格・スキルをアピールしつつ、中退した理由を訊かれた際は明るく対応しよう

インターネット上では「専門学校を中退すれば就職できない」という意見が散見されているものの、中退した人物が就職できない原因には偏見や新卒枠に応募できない点だけでなく業界研究を徹底していなかったケースも考えられる。なにも「中退者は絶対に就職できない」というわけではないため安心してほしい。特に、近年は農業や医療・福祉など複数の業界で人手不足の問題が深刻になっており、未経験でも採用する企業が増えてきている。たとえアピールできるスキル・資格がなかったとしても、未経験者を歓迎する企業の中には社員の資格取得を支援する企業もあるため、専門学校中退という経歴が足を引っ張ることもない。人生は何度でもやり直しがきく。中退したからといって就職が不可能になることはないため、様々な対策を練った上で就職活動をスタートしてみてはいかがだろうか。その際に本記事の内容が少しでも役立てば幸いである。