
中途退学は他者から見てイメージの悪い行動だ。そのため、やむを得ない事情で大学をやめようと考えている時に「中退すれば就職できなくなる」と頭を悩ませる方は多いのではないだろうか。また、既に中退の道を選んだ場合も同様である。入学したにも関わらず卒業を諦める人物は「計画性がなく自己管理能力が低い」「根性がない」などと考えられ、就職に悪影響を与えてしまうからだ。
しかし、昨今の業界は人手不足の声が目立つ。どの企業にも採用されず就職できない事態には陥りにくいと考えられるが、実際はどうなのだろうか。本記事では、大学を中退した人物が抱える悩みに寄り添った解説をおこなう。「大学中退の学歴では就職できないのだろうか」と将来に不安を持つ方にこそ、ぜひ最後まで読み進めていただきたい。
最終学歴が大学中退だと就職できない?主な理由を解説

大学中退が最終学歴になっている人物は「就職できない」というイメージを持たれやすい。まずはそう考えられる理由を知る必要がある。中退が及ぼす影響には、はたしてどのようなものがあるのだろうか?
大学中退が及ぼす影響
大学を中退した人間が「計画性がなく自己管理能力が低い」「根性がない」などと考えられやすいのは、入学したにも関わらず中途半端に大学を辞めてしまうことが原因だ。かといって、無計画かつ衝動的に大学を辞める学生は実際のところ少ないだろう。
やむを得ない事情で中退する人物が多いと考えられるが、そもそも大学生には休学という選択肢が残されている。休学制度を利用すれば、最大4年間は大学に在籍したまま休むことができるのだ。そのため「わざわざ大学を中退せずに休学届を提出するべきだったのではないか」と考えられやすい。
休学をすることなく中退した場合、周囲からの目は自然と厳しくなる。やむを得ない事情があるにせよ、大学中退者は偏見の目で見られやすいのだ。中退者について「いい加減で不真面目な性格そうだ」と考える者は多いため、このマイナスイメージをどうやってカバーするかが就職活動の鍵を握っている。
学歴社会では就職できない?大学中退者の就職率は少ないのか
大学中退者は就職とかけ離れたイメージを持たれやすい。しかし、いくら学歴社会とはいえ必ずしも「中退すれば就職できない」というわけではないはずである。そこで、まずは大学を中退した人物の就職に関する有名なデータを参考にしていただきたい。
2015年に独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した資料によれば、大学中退者の就職率は下記の通りである。
男性 35.3% 女性 30.1% 合計 33.9%
数年以上前のデータではあるが、新型コロナウイルスの世界的な感染が広がるにつれて大学等中退者を含む就職希望者の就職率は大きく減少している事実を忘れてはならない。
2022年6月現在は各企業の採用意欲に回復傾向がみられるが、就活市場の受けたダメージは大きく、全体的な採用数は少なめだ。大学中退者に関わらず全体に影響が生じているため、近年は就職の難易度が上がっている。企業も大学中退者より高卒や大卒の学歴を持つ人材を採用したいのが本音だ。
とはいえ、コロナ禍が収まるにつれて就職率は元通りになるので、あまり悲観する必要はないのではないだろうか。
大学中退後の空白期間

また、なかには大学を辞めた後の中退者が無気力になってしまうケースもみられる。
人間関係に悩みを持っている人物に多く、いざ就職活動に望もうとした際に「しばらく気力を失っているあいだに長い空白期間が生じてしまった」と気づくパターンだ。履歴書に空欄があれば、面接でやや突っ込んだ質問を受けやすくなってしまう。空白期間が原因で不採用になるのでは、そう考えて不安になる大学中退者も決して少なくはないはずだ。
空白期間を誤魔化すのは難しい。プライベートについて率直に言うのは憚られるため「一身上の都合で中退しました」と言う者も居れば、率直に「介護のためだった」「病気で大学に行けなかった」と打ち明ける人物も居るのではないだろうか。ただし、中退後の空白期間についてはあまり心配しなくても問題ない。企業は空白期間よりも能力を見ている。
有用な人材であることを証明できさえすれば、些細な問題に過ぎないのだ。ネガティブになりすぎず、面接では今できることについて出来る限りアピールしてみよう。
仮面浪人について
昨今は仮面浪人(在籍する大学を中退して別の大学に編入する学生のこと)が話題になる機会が増えている。仮面浪人の場合は最終学歴が大学中退にはなることはないが、就職活動の際に面接官や企業へ与えるイメージが気になる方は多いだろう。本記事では他大学に編入した学生についても言及している。
下記の項目(「他大学に編入する」を参照)で解説しているため、詳しくはそちらに目を通していただければ幸いだ。
大学中退者が持つ就職できない要因を払拭するには?

大学中退者が就職するには、果たしてどう行動すべきか。回答の具体的な例として、他大学への編入や就職支援サービスへの相談、就職予備校などの活用が挙げられる。以下の項目では中退者が就職するための手段を四つ解説するため、ぜひ参考にしてもらいたい。
他大学に編入する
大学を中退した後、他大学に編入する生徒は決して少なくはない。近年は仮面浪人になるために自分の偏差値よりやや低めの大学に入学した後、途中で高い偏差値の大学に編入するケースが多く、インターネット上では学歴に関するコンプレックスを指摘される声もみられる。大学中退者が他の大学に編入するのは仮面浪人の亜種のようなものだ。
最終学歴が大学中退にならないため、就職活動では有用な手段である。面接で仮面浪人したことについて「希望する大学に入るために努力した経験があり、計画力や行動力、継続力に自信があります」とアピールしやすい。
面接官にとっても悪い印象にはならないため、大学中退者の就職できない原因を払拭するには非常に効果的と言える。
大学を中退した後でも過去に修得した単位を引き継いで編入できる特徴があり、一般的に3年次編入を選択する学生が多いようだ。つまり、大学に編入すれば最短2年で卒業できるメリットが生じるのである。
編入条件について各大学のホームページやパンフレットに記載されているため、希望する大学があれば情報を確認しておこう。
予備校に通う選択肢
他大学に編入する選択肢を取らない場合、就職予備校に通うことも視野に入れるべきだろう。就職予備校とは、生徒が希望する就職先の内定を取れるように対策をおこなうビジネススクールだ。自己分析や模擬面接、ビジネスマナー講座を中心にSPI対策やES対策に対応する就職予備校が多く、様々な予備校が全国各地に拠点を置いている。
就職予備校にかかる費用の平均は20万円~30万円ほどで、就職活動に必要な知識を学べる点が人気だ。通うスクールは実績数やアクセスの良さを確認して決めよう。
フリーターとして働く
いきなり企業に面接へ赴くのはハードルが高いと考えているならば、就職活動の第一歩はフリーターとして働く選択を取るべき正社員と違ってパート・アルバイトは採用されやすく、すぐに働けるのが魅力である。
コンビニやスーパーなどは常にシフトに入れる人員を募集しているため、学歴が不安でも問題はない。大手求人サイト『タウンワーク』や『バイトル』などを活用して、求人募集している店舗を見つけ次第アルバイトとして働きたい旨を相談してはいかがだろうか。
就職支援サービスへ相談しよう
就職できないことに悩んでいる場合、就職支援サービスに相談するのも手だ。
就職エージェントのなかには大学中退者向けに講座を受けられるものもあり、大学を中退したからといって就職できなくなるわけではないため安心できる。ただしサービスの利用に年齢制限があったり就職エージェントの拠点が限られるデメリットも存在するので、その点に関しては注意が必要だ。
大学中退は就職できない要因に直接繋がっているわけではない

本記事に隅々まで目を通した方には「大学を中退してしまえば就職できない」と悩む必要など全くない、ということを充分に理解していただけたのではないだろうか。
最終学歴が大学中退だとしても、挽回のチャンスはいくらでも転がっている。最後に今回紹介した内容を振り返ってみよう。
- 大学中退は「計画性がなく、いい加減で不真面目」というマイナスイメージを抱かれやすい学歴である
- 大学を中退した後の空白期間はいくらでも誤魔化せるため、ハッキリ言えば悲観的に考える必要はない
- 就職できない原因を払拭する手段としては他大への編入や就職予備校に通うこと、就職エージェントの利用などが効果的だと考えられている
世の中には大学中退者に特化した就職支援サービスが多く、取れる選択肢が常に複数存在している。また、アメリカの大統領だったエイブラハム・リンカーンが「Determine that the thing can and shall be done, and then we shall find the way.(そのことはできる、それをやる、と決断せよ。それからその方法を見つけるのだ)」と言葉を残しているように、大切なのは行動力だ。
学歴にコンプレックスや劣等感を抱いていたり、就職活動をすることに不安を感じていても、一歩踏み出してみなければ何も始まらないのは共通している。まずは気になった企業の求人要項をチェックしたり、大学や予備校の資料を請求するなど、自分のペースで就活をスタートしてみてはいかがだろうか。
当サイトは就職にまつわる様々な問題を解決するための方法を定期的に発信している。就活対策・面接や仕事の悩みを解決する手段について知りたい場合は、ぜひ他の記事もチェックしていただければ幸いだ。その際はタグや関連記事の項目を参考にしてほしい。






