就活の電話でもしもしはNG!もしもしの代わりの言い方と基本のマナー9選とは?

就活の電話では「もしもし」は使わず、「お世話になっております。」や「はい。〇〇です。」というフレーズを使うのが一般的である。

しかし、どうして「もしもし」は就活ではNGなのだろう。その理由は、もしもしの語源や印象に隠されている。また、「もしもし」を使わずに対応するためには、代わりに使えるフレーズを知っておかなくてはいけない。

そこで記事では、「もしもし」がNGな理由・代わりに使える表現・就活の電話で「もしもし」以外で気をつけることを紹介する。最後まで読んで、就活にふさわしい電話対応力を身につけて、相手に好印象を持ってもらおう。

就活の電話でもしもしがNGな理由2選

就活の電話でもしもしがNGな理由2選

就活の電話で「もしもし」を言うのはNGと言われるが、なぜなのだろうか。その理由は下記の2点である。

  • 相手を見下す印象があるため
  • 申し申しの省略形だから

    これら2つの理由から、一般的なビジネスマナーとして「もしもし」は、避けられる傾向にあるのだ。これら2つの理由について解説しよう。

    理由1:相手を見下す印象があるため

    理由1.相手を見下す印象があるため

    就活の電話で「もしもし」と言ってしまうと、相手を見下す印象を与えてしまう場合がある。

    なぜなら「もしもし」の語源が「もの申す」や「申す申す」から来ているという説があり、一方的で上から目線な印象があるためNGとされているのだ。

    そのため、テレフォンオペレーターやコールセンター業務では、「もしもし」の使用を禁止しているところが多い。

    このような理由から「もしもし」は失礼にあたる場合があるので、就活の電話では言うのを避けよう。

    理由2:申し申しの省略形だから

    「もしもし」のような省略形の言葉は、失礼にあたる場合がある。

    日本で電話が使われ初めた明治23年頃は、現在のように直接話したい相手に繋がる仕様ではなく、電話交換手に取り次いでもらう形であった。

    また、当時の電話は音質が不明瞭で、電話をかけるとまず「おいおい」と電話交換手に呼びかけ、相手からの返事を待つというのが一般的だったのだ。

    これが大正時代になると、電話交換手は女性の仕事として定着し、その頃から、取り次ぎ先の相手に失礼がないよう「申し上げます、申し上げます」という丁寧な言葉を使用するようになっていった。

    そして、現代までに「申し上げます→申す申す→もしもし」と徐々に変化していったと言われている。

    このように現代の「もしもし」は、本来「申し申し」という目下の者が目上の方に使う謙譲語から省略された言葉なのだ。

    こういった略語の使用は、ビジネスマナーにおいて失礼にあたる場合があるため、就活で使うのは避けよう。

     

      就活の電話でもしもしの代わりに使える表現3選

      就活の電話でもしもしの代わりに使える表現2選

      ここまでの解説でビジネスマナーでは「もしもし」がNGな理由を解説した。

      この章では、そのような「もしもし」に代わるフレーズを3パターン紹介する。その3パターンは下記の通りだ。

      • お世話になっております。
      • はい。〇〇です。
      • お忙しいところ、恐れ入ります。〇〇です。

        これらのフレーズが使える具体的な場面や相手との関係について解説する。

        表現1:お世話になっております。〇〇です。

        「お世話になっております。〇〇です。」が使える場面は多岐にわたる。例えば、以下のような状況だ。

        • 就活で企業からかかってきた電話に出るとき
        • こちら側から企業に電話をかけて相手が出た後の第一声
        • 電話以外のメールでの文

          このフレーズは、就活でも実際の仕事の現場でも、日常的によく使うので覚えておこう。

          表現2:はい。〇〇です。

          「はい。〇〇です。」は、かかってきた電話に出るときに使う場合が多い。〇〇には、名前を言おう。

          シンプルでわかりやすいため、このような電話の出方もおすすめだ。しかし、知らない番号からかかってきた電話に出る場合は、個人情報保護のため名乗らないほうが良いこともある。

          就活中に企業以外から電話がかかってくることもあるため、番号を確かめてから出方を考えよう。

          表現3:お忙しいところ、恐れ入ります。〇〇です。

          「お忙しいところ、恐れ入ります。〇〇です。」は、自分から企業に電話をかけた場合に使う場合が多い。

          • こちら側から電話をかけて、企業に確認することがあるときの問い合わせ
          • こちら側から電話をかけて、相手側にお願いすることがある場合の電話
          • こちら側から折り返すときの第一声

            こういった場面でこちら側から電話をかけるときに使えるフレーズなので、覚えておこう。

            就活の電話の出方でもしもし以外に気をつけること9選

            就活の電話の出方でもしもし以外に気をつけること9選

            就活の電話では「もしもし」以外に注意しなくてはならないマナーが多くある。

            就職活動において、面接の日程調整など採用担当者と直接話す機会は思っているよりも多い。

            しかし、ビジネスマナーを理解した上で電話をかけている就活生は非常に少ないのが事実だ。ビジネスマナーを守って電話対応しないと、知らぬ間に大きな減点を受けてしまう恐れがある。

            そうならないために、下記に「もしもし」以外に気をつけるべきことを9つまとめた。

            • 企業の受付時間は何時までなのか確認しよう
            • 18時以降になる場合は翌日にしよう
            • 電話とメールは状況によって使い分けよう
            • 大きな声ではっきり話そう
            • 丁寧な対応と言葉遣いを心がけよう
            • 静かな落ち着いた場所を選ぼう
            • 電話に出られなかったときの折り返しはなるべく早めに
            • 聞き取れなかったことは聞き返そう
            • 電話の切り方は相手のタイミングに合わせよう

              これら9つの気をつけることについて、詳しく解説していこう。

              その1:企業の受付時間は何時までなのか確認しよう

              その1.企業の受付時間は何時までなのか確認しよう

              就活で企業に電話をかける場合には、企業の受付時間を確認してからにしよう。また、受付開始時間の直後・お昼休み・終業時間ギリギリなどは、相手方が忙しくしている恐れがあるため、なるべく避けるのが良いだろう。

              「担当の方がこの時間帯は忙しくしているかもしれない…」ということを想像しながら、適切な時間を選んで電話をかけよう。

              その2:18時以降になる場合は翌日にしよう

              その2.18時以降になる場合は翌日にしよう

              企業の受付時間がわからないなど、電話をかける時間に悩んだら、18時以降は避けて翌日にかけるようにしよう。

              定時後の時間帯は、その日までにやらなくてはいけない業務が残っていて、多くの企業にとって非常に忙しい時間帯である。そのような時間帯に電話をかけてしまうと、担当者の業務を妨げてしまう恐れがある。

              このようなことから、電話をかけるのにおすすめの時間帯は11時~16時頃と言われる場合が多い。しかし、業種や営業時間などによって大きく変わるだろう。そのようなときは、担当者と話すときに直接確認するのもおすすめだ。

              就活の電話をかけるときは、状況に応じて時間に配慮できるようになろう。

              その3:電話とメールは状況によって使い分けよう

              就活で企業とのやり取りをする場合、状況や相手によって電話とメールは使い分けよう。

              例えば、面接等の日程確認はメールで行い、当日に急を要する連絡がある場合は電話をかけるなど。また、大員数に同じ内容をいっぺんに情報を送りたい場合はメールで、特定の個人に連絡したい場合は電話でなど、状況によって適した方法が変わるのだ。

              就活でも、実際の仕事でも電話とメールを上手く使い分けられるようにしよう。

              その4:大きな声ではっきり話そう

              その4.大きな声ではっきり話そう

              就活で担当者と話すときは、大きな声ではっきり話すように心がけよう。

              しかし、電話対応に慣れておらず、緊張や不安から意識していても声が小さくなってしまう場合がある。そうならないためには、次の2つの対策をするのがおすすめだ。

              • 自分なりの電話の出方マニュアルを10パターンほど用意しておこう
              • 声の出し方・表情・フレーズなどを練習しておこう

              企業との電話に不安を感じる大きな理由は、慣れていないから。つまり、言葉を準備して出方・話し方の練習をしておけば、自信を持って対応できる。

              就活の電話対応に不安や焦りを感じて、声が小さくなってしまう場合は、これらのことを意識して対策してみよう。

                その5:丁寧な対応と言葉遣いを心がけよう

                就活の電話では、丁寧な対応と言葉遣いを心がけよう。

                丁寧な対応として忘れてはならないのは「クッション言葉」である。クッション言葉とは、ストレートに言うと相手に不躾な印象を与えてしまいがちな、お願いやお断りの際に前置きとして付けると柔らかい印象になる便利な言葉だ。

                丁寧な電話対応をするために、是非とも覚えておきたい6つのクッション言葉を下記にまとめた。

                • 差し支えなければ
                • お忙しいところ、申し訳ありませんが
                • お手数をおかけしますが
                • 失礼ですが
                • 大変心苦しいのですが
                • 恐れ入りますが

                これらのクッション言葉を使いこなして、相手と気持ちの良いコミュニケーションを心がけよう。

                また、丁寧な言葉づかいも心がけたいことである。丁寧な言葉づかいをするには、丁寧語・謙譲語・尊敬語の使い方を覚えておく必要がある。

                丁寧語とは「です」「ます」など相手に敬意を表す場合に使う。謙譲語は「申し上げる」「承知する」など自分を下げて控えめに話す場合に使う。尊敬語は「おっしゃる」「ご覧になる」など、相手の動作に尊敬の意味を含ませるために使う。

                企業との電話では、このようなクッション言葉・丁寧語・謙譲語・尊敬語をスムーズに使えるように練習しておこう。

                その6:静かな落ち着いた場所を選ぼう

                就活で企業に電話をかける場合、かかってきた電話に出る場合は、静かで電波状況のいい落ち着いた場所を選ぼう。

                例えば、電車内にいるとき・何かを食べているとき・トイレにいるときにかかってきた場合は、その場ですぐには出ずに一旦落ち着いてから、折り返しをするのがおすすめだ。

                就活では急に重要な電話がかかってくる場合もあるため、焦ってしまうかもしれないが、落ち着いて対応できる静かな場所を選んで対応できるようになろう。

                その7:電話に出られなかったときの折り返しはなるべく早めに

                その7.電話に出れなかったときの折り返しはなるべく早めに

                就活で企業からの電話に出られなかったときは、なるべく早めに折り返す必要がある。しかし、折り返すと言っても、対応に困る場面はたくさん出てくると思う。

                ここでは、そういった対応に困る場面で焦らないために、就活の電話の折り返しで悩むことを質問と答えの形式でまとめた。下記を参考にして相手に好印象を与えよう。

                折り返そうと思っていたのに、企業の受付時間を過ぎてしまった場合はどうする?
                担当者にメールが送れる場合は、メールでも連絡するのも一つの方法である。また、メールアドレスを知らない場合、翌日には電話を折り返すようにしよう。あまりにも連絡が遅れてしまったり、何もせずに放置してしまったりすると印象が悪いので気をつけよう。
                出れなかった電話の留守電に「またかけます。」と入っていた場合は、こちらから折り返すべき?
                「またかけます。」と留守電が入っていても、自分から折り返すことをおすすめする。気づいてすぐに電話をかけたほうが、相手も自分も安心できるだろう。
                相手に折り返したときに、留守電になってしまったらどうするべき?
                電話をそのまま切るのではなく、名前と要件を残し「△時頃に再度お電話させていただきます。それでは失礼致します。」と言って電話を切ろう。

                留守電で焦ってしまって切ってしまうこともあるが、印象が悪いので伝言を残そう。これらを参考に留守電も上手く使って、相手との気持ちの良いコミュニケーションを心がけよう。

                その8:聞き取れなかったことは聞き返そう

                就活で担当者と話している最中に、聞き取れないことがあったら、きちんと確認しよう。しかし、「声が遠く聞き取れない。」とストレートに伝えてしまうと、失礼にあたる。

                そのため下記の対処法を使って、マナーを守って相手に確認しよう。

                • 「恐れ入りますが、もう一度お願い致します。」と聞き返す
                • (名前が聞き取れなかった場合など)聞き取った言葉を復唱する
                • 電波の状況がよろしくないようなので」と一旦電話を切って折り返す
                • 「確認のため、もう一度お願い致します。」と聞き返す

                聞き取れなかったことをそのままにしておくと、重大なミスやトラブルの元になってしまう。丁寧に聞き返して、そういったことにならないように工夫しよう。

                その9:電話の切り方は相手のタイミングに合わせよう

                その9.電話の切り方は相手のタイミングに合わせよう

                就活の電話の切り方に関しては、2パターンのマナーがあると言われている。

                • 電話をかけた側が電話を切る
                • 自分からは電話を切らない

                どちらも正しいが、重要なのは相手に失礼な印象を与えないこと。そのためには、会話の最後に「それでは失礼致します。」といって、相手の動作を見ながら切るか切らないか判断しよう。

                就活生の場合は、担当者が切るほうが自然な場合が多いかもしれないが、状況によって異なるため、臨機応変に判断しよう。

                就活の電話でもしもしはNG!マナーを守って対応しよう

                就活の電話でもしもしはNG!マナーを守って対応しよう

                ここでは、最後に要点をまとめよう。

                • 「もしもし」がNGな2つの理由は相手を見下す印象があるのと、申し申しの省略形なのでビジネスの場では不適切とされる
                • 「もしもし」の代わりに「お世話になっております。」「はい。〇〇です。」「お忙しいところ、恐れ入ります。〇〇です。」を使おう

                「もしもし」以外に就活の電話で気をつけること

                • 電話をかける時間・言葉遣い・場所・切り方のタイミングなどに気をつける
                • 電話に出られなかったときの折り返しはなるべく早く、留守電も上手く使う
                • トラブル防止の為、聞き取れなかったことは丁寧に聞き返そう

                ここまで、「もしもし」がNGな理由・代わりに使える表現・就活の電話で他に気をつけることなどを解説してきた。担当者との電話は、時間帯・言葉遣い・声量など、相手のことを考えて対応できるように、準備しておこう。