就職活動における「中卒が就職できない」は正しいのか?日本は学歴社会だ。求人サイトで新入社員を求める募集には高卒や大卒を前提とする内容が多く、学歴不問の求人はパートやアルバイトが多数を占める。学歴不問と記載されていても、実際には高卒以上を求められているケースも少なくはない。中学校を卒業して以来、高校にも大学にも通っていない中卒は企業に求められていないのだろうか?

この記事は、最終学歴が中卒かつ就職できないことに悩む読者に役立つ情報を記載している。具体的にはこのような人物に情報を伝える所存だ。

  1. 最終学歴に不安を抱いている方
  2. 社会人として働きたい方
  3. やむを得ない事情で中卒になってしまった方

「中卒ではどこにも雇ってもらえないのではないか」「人生がお先真っ暗になってしまった」「就職できないのでは?」と不安な方はぜひ読み進めてほしい。

中卒が就職できない主な要因は?

中卒が就職できない主な要因は?
そもそも中卒が就職できない原因とはなんだろうか。まずは中卒が負のイメージを持たれやすい理由を簡単に列挙してみよう。

  • 学歴フィルターによる不採用
  • 履歴書に空白期間がある
  • 能力に見合わない企業を目標にしている

以上の三点が「中卒は就職できない」と考えられる主な要素だ。以降の項目では中卒が失敗すると思われる理由を詳しく解説する。

学歴フィルターをかける企業

就職活動の際、多くの求職者の前に「学歴フィルター」の壁が立ちはだかる。

学歴フィルターとは、企業に応募してきた就活生に学歴による優劣をつけ、高学歴であればあるほど優遇する行為を指す。株式会社マイナビの炎上事件でこのワードを耳にした方も多いのではないだろうか。

マイナビが今月6日に就活生ら約1万6千人に送信したメールの件名には「大東亜以下⑨」と記されていた。「大東亜」は大東文化大、東海大、亜細亜大の3大学をまとめた俗語だ。
マイナビによると、誤送信先にはこの3大学以外の学生も含まれていた。件名は、人数が同じくらいになるよう就活生を二つのグループに分ける際、社内で便宜上使った表現が誤って記されたものという。メールは、スーパーなどを展開する企業のインターン(職業体験)を案内する内容だった。企業の担当者は「特定の大学の学生に案内を出すようにマイナビ側に依頼したことはない。所属大学を重視した採用選考はしていない」と話した。

朝日新聞デジタルの記事によれば担当者は「所属大学を重視した採用選考はしていない」と発言したようだが、マイナビに関わらず、多くの企業が学歴によって採用する人物を決めているのが実情だ。さらに高卒・大卒と比べて中卒は「低学歴」と蔑まれやすく、就職活動では不利だと考えられている。

うつなどの疾患による空白期間

最終学歴が中卒かつ精神疾患を抱えていた人物が悩みがちなのが履歴書の空白期間だ。

一例として、若者を中心に多くの世代が悩まされているうつ病を挙げたい。精神疾患のある者は人間関係に不安を感じやすく、非常に繊細な心を持っている。そのため他人とコミュケーションが上手く取れず、自分の世界に閉じこもってしまいがちだ。

いざ寛解して就職を始めようとした時、この空白期間が大きな問題になる。面接官にマイナスイメージを与えてしまう恐れがあるのだ。精神疾患を抱えていない人物でも同様の問題に直面する機会は多い。アルバイトなどに取り組まなかった中卒は空白期間が長くなりやすく、面接で「今までどうされていたんですか?」と厳しい質問をされる可能性が上昇する。

負の印象を払拭するには空いた期間に自分が打ち込んでいたこと・努力していたことをアピールするのが一番だ。また、精神疾患を克服した経緯を正直に打ち明けてみるのも良いかもしれない。嘘八百で面接を乗り切るより、素直に事情を話したほうが好印象に映ることもある。とはいえ、選考の時点で落とされてしまうリスクも承知しておくべきだ。

「就職できる仕事」と「就職したい仕事」を混同している場合もある

なかには複数の企業へ面接に赴き、ことごとく不採用通知を言い渡されている人物も居るのではないだろうか。中卒に限らず就活で上手くいかない者は少なくないはずだ。

そういう人物が採用されない原因のひとつとして「能力に見合わない企業を目指しているかもしれない」と考慮する必要がある。

面接に行っても落とされたり、そもそも選考の時点で落とされる場合は企業が求める人材をチェックするべきだ。大抵の企業は公式ホームページなどに理念を掲げている。

特に労働者を募集する企業は「どんな労働者を求めているか」を掲載することが多く、理想像に当てはまらない求職者は面接官の目にとまりにくい。また、企業の理念と自分が噛み合わない時は「就職できる仕事」と「就職したい仕事」を履き違えていることもある。心当たりのある方は自分を振り返ってみてほしい。

就職できないと思われがちな中卒が就職活動で成功をおさめるには?

就職できないと思われがちな中卒が就職活動で成功をおさめるには?就活を始めようとしても何から始めればよいか判断するのは難しい。とはいえ企業面接にいきなり赴かず、就職エージェントや資格取得を選択肢に入れてみてはどうだろうか。

就職エージェントを利用する

就活をするハードルが高いと感じる場合は就職エージェントを利用するべきだ。就職エージェントは就職・転職のプロのため、親身になって対応してくれる。学歴に自信のない中卒の方でも問題なく就職できるようにサポートを得られるのが利用するメリットだ。

最終学歴が中卒だと、履歴書を送った段階で選考に弾かれるケースが多々みられる。しかし、就職エージェントを活用した時はエージェント側が利用者の学歴ではなく人柄・能力を売り込んでくれるため、自分の実力に企業が関心を持ちやすくなるのだ。しかも利用者は完全無料で就職エージェントを活用できる。自分に合った企業に就職する手段として適切だろう。

高卒認定など資格を取得する

高卒認定とは高等学校卒業程度認定試験の略語である。以前は大学入学資格検定と呼称されており、取得すれば高等学校卒業程度の学力を持つことが証明されることで有名だ。

メリットは高卒認定を高等学校卒業と同等とみなす採用試験や国家資格の存在と、大学入学が可能になることだろう。特に後者の利点は大きいのではないだろうか。中卒のままでは受験資格がないが、高卒認定に合格さえすれば大卒資格の取得も可能になるのだ。

高卒認定の受験資格は以下の通りである。

受験しようとする試験の日が属する年度の終わりまでに満16歳以上になる人が受験できます。平成17年度から、全日制高等学校等に在籍されている方も受験が可能となりました。
※高等学校卒業者や大学入学資格検定・高等学校卒業程度認定試験合格者など、既に大学入学資格を持っている方は受験できません。

上記の条件に当てはまる者は試験の受験資格が与えられているため、高卒認定に備えた学習を推奨する。試験は中学生〜高校一年生程度の学力を求められるため、参考書で試験対策をしてみてはいかがだろうか。

精神が不安定な状態で就活に挑戦するのはなるべく控えておくべき

就活エージェントや高卒認定など、就職活動で少しでも有利になる手段は多数ある。しかし、この記事で私は「今すぐ対策を練って就活に挑戦しろ」と言いたいのではない。むしろ時間を置いたほうが結果としては好転するケースもあるはずだ。特に、精神が不安定な状態で就職を目指すのは困難だろう。

どうしても動けない場合は就職活動を控えて、しばらく休養する期間を設けてほしい。精神疾患で悩まされている方は尚更だ。充分にリラックスした後、焦らずに行動しよう。

就職できない中卒にも選択肢がある

就職できない中卒にも選択肢がある
最終学歴が中卒のままでは就職できない。就活するにあたって、やはり批判の声を聞いてきた中卒の者も多いのではないだろうか。とはいえ必ずしも就職できないわけではない。中卒にも複数の選択肢が広がっている。中卒であることを悲観せずともよいのだ。この項目ではメジャーな職種の候補を解説する。

公務員は学歴不問の職種

安定した職種に公務員を思い浮かべる人物が多いのではないだろうか。国家公務員・地方公務員は民間企業ではなく公共団体に雇われているため、倒産と縁がないのが「安定している」と思われる要因だ。リスクの少ない公務員として働きたい者は少なくない。

なかには自分が中卒であることを悲観して公務員になれないと考える者も居るだろう。しかし中卒は公務員として就職できる。公務員試験は学歴不問だからだ。

公務員採用制度研究会(NGO)が運営する公務員試験総合ガイドによれば、公務員試験は「国家公務員試験」「地方公務員試験」「公安系公務員」「社会人経験者採用」「公務員に準ずる試験」に分けられている。

公務員としての就職を考え始めた方は下記サイトを参考にしてほしい。

公務員試験総合ガイド|公務員試験とは?

ITエンジニアなどの技術職は狙い目

インターネットが普及するにつれてIT業界の需要は高まっている。同時に人材不足にも直面しているのをご存知だろうか。

現状、日本はどこも人手不足だ。IT業界だけでなく、接客や飲食、建設、介護など、さまざまな業界が労働力を求めている。スキルが必須である技術職も人材を求めており、有資格者が歓迎されやすい。学歴は関係なく、未経験でも従業員として迎えたい企業が増加しているのだ。

具体例のひとつにITエンジニアがある。これはIT系の職種の総称で、主にシステムエンジニアやサーバーエンジニア、プログラマーを指す。それぞれに専門分野を活かす強みを持った仕事だ。集中力や上昇志向の強い人物に向いている。中卒でITエンジニアを目指すのであれば、やはり資格取得から始めるべきだろう。必要な資格をいくつか記載する。

  1. ITパスポート試験
  2. 基本情報技術者試験
  3. 応用情報技術者試験
  4. システム監査技術者試験
  5. ネットワークスペシャリスト(NW)

ITエンジニアとして就職を目指す場合は国家資格の合格を目指すのが最適だ。まずは取得難易度の低いITパスポート試験に挑戦してみてはいかがだろうか。

人とのコミュニケーションを好ましく思っている人物には営業が適職

よく社交的な人に薦められるのが営業だ。会社の利益を高めるため、直接クライアントと対面して自社商品やサービスを売り込むのが営業の仕事である。とはいえ「コミュケーションは苦手ではないが、セールスには自信がない」と悩む方は多いのではないだろうか。

確かにセールス能力は必要だ。かといって、それだけで諦めるのは時期尚早である。誰もが話術を最初から身につけているわけではない。そうした能力は働いていれば自然と身につくものだ。セールスに自信がなくても一度働いてみて、適職かどうかはその間に判断するのがよいだろう。どうしても慣れない仕事であれば、別の職種を再検討できる。

職歴なしで悩む場合はアルバイトに応募して正社員登用制度を利用する

空白期間がネックな場合はパート・アルバイト募集に応募して安定化を目指そう。大抵の企業は正社員登用制度を採用している。真面目に働いていれば正社員として安定した収入を得られる可能性が高くなるのだ。

インターネットが普及している現代、求人サイトで検索すれば仕事先は簡単に見つかる。まずは「タウンワーク」や「バイトル」などの求人検索サイトを利用して自分に合ったバイト先を探してみてはいかがだろうか。

もちろん自分に合った職種への応募は欠かせない。他人とのコミュケーションが苦でない、または社交的になりたいと考える者は飲食業や積極業を、自分の資格を活かしたい場合は有資格者優遇の求人を選ぼう。

社会で働くことに不安や恐怖を感じる時は在宅ワークに頼るのも手

社会に出て働きたいと思っていても、精神的な問題による不安や恐怖で一歩前に足を踏み出せない人物は多い。特に、うつで悩んでいた者は対人恐怖症でコミュニケーションが苦痛になりやすい。そういった不安を抱える人物に強く勧めたいのが在宅ワークだ。

コロナ禍の影響で緊急事態宣言が発令されるなか、各メディアに取り上げられていた「テレワーク」という言葉が未だ強く印象に残っている者も多いのではないだろうか。

テレワークは屋内でテレビ通話を利用しコミュニケーションを図る業務形態を指すが、在宅ワークとは意味合いが異なる。文字通り自宅に居ながらできる仕事のことで、IT企業などが率先して取り組んでいる業務形態だ。

在宅ワークはテレワークのように画面越しにおこなう会話が必須ではない。オンライン面接が厳しくとも、インターネット上にはポイントサイトやクラウドソーシングサイトが存在する。他人との交流に不安を感じるならば、そうした対面不要のサイトを利用して在宅ワークで稼ぐのも一つの手だろう。

最終学歴が理由で就職できない中卒は「無限の可能性を秘めた原石」

最終学歴が理由で就職できない中卒は「無限の可能性を秘めた原石」
人は誰でも無限の可能性を秘めている。中卒もそうだ。確かに日本は学歴社会である。しかし、自分の状態や能力を把握しておくことで就職できないと思われやすい中卒でも様々な職種に就く可能性が芽生えるのだ。諦めてしまうのは勿体ない。あらためて本記事で解説した内容を再確認しておこう。

  • 就活できない要因は自分に合った企業選びやスキルアップで取り除ける
  • 就活エージェントを利用したり高卒認定に合格して選択肢を広げよう
  • 就活の際は公務員や技術職・営業職などさまざまな職種を検討する

最後まで読み進めていただいた方には本記事で得た知見を実際に活かしてほしい。行動の際は各求人サイトや就活エージェント・資格試験のホームページに目を通し、徐々に状況を好転していただければ幸いである。