
就職活動をするとき、1度でも事務職で働きたいと思ったことはないだろうか。
事務というお仕事は、特別なスキルがなく、誰でもできる簡単な仕事だと思われがちだ。しかし、決して簡単なお仕事ばかりではなく、慣れるにも時間がかかる業務もある。また、近年、事務職への転職は厳しい傾向が続いており、実際に簡単に誰でもなれるわけではなくなった。
それでも昔から人気であるのは変わらず、未経験・経験者関係なく、企業は採用している。本記事では、事務職で働いてきた筆者の経験をもとに、事務職への転職が難しい理由についてや事務職に向いていない人の特徴、事務職に転職するための対策についても紹介する。
社会人で事務職に転職したい方は、ぜひ、最後まで目を通していただけると幸いだ。
事務職への転職が厳しいのはなぜか?

事務職はどの企業においても、必ず存在する職種だ。そして事務職の種類は、下記のように5つに分類できる。
- 一般事務
- 営業事務
- 経理事務
- 総務事務
- 医療事務
一見すると多くの種類があるため、門戸が広いと思われがちだ。しかし、下記データからもわかるように、令和2年10月の調査で事務職の有効求人倍率の平均値が0.33なので、事務職の転職は厳しいのが実情である。

引用元: 厚生労働省「職業一般職業紹介状況【実数】(常用(含パート))」
なぜ、事務職で働きたい方にとって厳しい現実が待っているのか。以下、事務職の転職が厳しいと思われる理由を紹介する。
理由①:男女ともに人気
事務職は男性が多い職場なのか。または女性が多い職場なのか。
職業によっては、性別の偏りが生じている職もあるが、事務職は性別による人数の偏りが少ない職業の1つとされている。したがって、男性女性関係なく平等に採用がされるため、競争率が激しくなるのだ。
この記事からもわかるように、事務職は女性にとって、非常に人気の職業と言える。
企業にとっては厳しい時代が続いています。一方、転職したい人が誰でも希望する仕事がみつかるというわけではありません。これだけ求人倍率が上昇しても、1.0を超えない、仕事も幾つかあります。
その代表的なひとつがオフィスワークと呼ばれる事務職。書類作成やデータ入力、などの事務作業から、電話や来客応対など幅広い役割が求められます。この職種で転職希望をするのは大半が女性で、転職希望者がたくさんいますが、退職者が少なく、求人数も多くないため、自然と転職求人倍率は低下。2016年4月の「オフィスワーク=事務職」の転職求人倍率は0.44倍(昨年同月0.53倍)でした。ここのところ0.4~0.5倍台で推移しており、競争率が高く、仕事が少ない状況が続いていると言えます。
事務職はデスクワークで体力を使わず、ルーティンワークが多いため、仕事を定時で終えやすい。結果、子育てとの両立がしやすいため、事務職を希望する女性が多いのだろう。実際、大手転職サイトが集計した残業時間ランキングでも、残業時間が少ない職種に複数の事務職がランクインしている。
【残業が少ない職種(2021年4月~6月)】
職種名 月当たり残業時間 秘書/受付 10.5時間 医療事務アシスタント 10.5時間 営業事務アシスタント 11.1時間 金融業界の代理店営業 11.4時間 一般事務アシスタント 11.8時間 金融事務アシスタント 12.3時間
職場によっては、毎日残業ばかりの事務職もあるだろうが、残業を避けたい事情を相談すれば、他の方に担当していただくなど、融通がききやすい職種の1つともいえる。したがって、転職活動をする際は、競争率が激しい中で、どうすれば採用されるか、入念に対策を講じなけれならない。
理由②:未経験より経験者を優遇
事務職もエンジニアやデザイナーと同様に、未経験よりも経験者を優遇する傾向があるのは否めない。なぜなら、企業は売り上げを1秒でも早く、かつ多く上げるために、短時間で人材を育てたいからだ。全く事務職を経験していない人を採用してゼロから育てるよりも、過去に事務職を経験してスキルや仕事の進め方を熟知している人の方が、転職活動でプラスの評価を受けるのは当然だろう。
しかし、すべての企業が経験者を優遇しているわけではない。働くうえで有利な資格やスキルを身に付けていれば、事務職に転職することは十分に可能である。また、業務量が多すぎて人手が足りないため、未経験でもいいから採用したいと考えている企業もある。
事務職への転職に有利なスキルや知識については、この後に紹介するので、ぜひ読み進んでみてほしい。
事務職への転職が厳しいと思われる人の特徴

事務職の転職はたしかに厳しい現実である一方で、事務職への転職活動において、採用側から「事務職として働くには厳しい」と評価されてしまう場合もある。つまり、「弊社では事務職に向いていない」とみなされ、採用を見送られることだ。
企業側からどのような特徴があると思われたら、採用を見送られるのか。ここからは、事務職への転職が厳しいと思われる人の特徴について紹介する。
特徴①:ルーティン化されていない仕事が好き
事務職の業務は、毎日また特定の曜日、毎月の初めや月末だけするなど、一定周期で繰り返す。したがって、繰り返し継続的にやるルーティンワークが苦痛ではない人は、事務職への適正があるだろう。
一方、同じ仕事だけでなく、売上の数字を伸ばすための施策を考えたり、実際にお客様と商談をしてビジネスを構築したりと、新しい価値を生み出す業務もある。そのようなルーチン化されていない業務の方が楽しいと感じる人は、事務職への転職は厳しい。
同じことをコツコツ継続的にやるのが好きなのか、それとも、人前でプレゼンテーションをして提案・改善をするのが好きなのか。転職活動をする前に、どちらが向いているか考えておこう。
特徴②:人と話すのが辛いと感じる
事務職は1人でコツコツと作業するイメージがあるが、職場環境によって多くの人とコミュニケーションを取って業務を遂行するところもある。例えば、事務職の代表である電話応対は、クライアントからサービスの利用者まで、多くの方と電話を通してやりとりする。
また、役場や市役所、医療事務は住民と顔を合わせることがあるのは想像しやすい。営業事務は営業担当の社員とコミュニケーションを取って仕事をし、総務は多くの部署の人と話さなければならない。職場によっては、1人ではなく同僚とペアを組み、協力して同じ仕事をするのもある。
したがって、コミュニケーションスキルが必須になってくるので、人と話すのが辛いと感じる方は、事務職に向いていないと判断されるだろう。
事務職への転職が厳しい場合、やるべき対策は?

これまで転職に厳しい理由と人について紹介してきた。しかし、決して人気でかつ未経験だから事務職への転職が不可能なわけではない。事務職が未経験の方でも、きちんと対策をしていれば問題なく転職が可能だ。
以下、事務職への転職が厳しい場合、やるべき対策について紹介する。
対策①:スキルを磨く
事務職はルーチンワークがメインだから、スキルはいらないと思われがちだ。たしかに、書類チェックのような定期的な同じ業務が続くため、半年から1年もすれば段々と楽に仕事をこなせるだろう。
しかし、事務職の転職活動を始める前や後でも、働く上で必須になるスキルを身に付けては、磨いておくといい。結果、転職活動が有利になるのはもちろん、実際に業務をするうえでも効率をあげられる。
事務職にとってプラスになるスキルは、以下の3つだ。
- ExcelやWord
- 電話応対
- メールの作成
以上のスキルを持っておくことは、事務職として働くうえで大きくプラスになる。ぜひ、本やインターネット、動画をみて磨いていこう。
対策②:転職に有利な資格を取る
スキルを身に付けるのはもちろん素晴らしいが、面接で評価されなければ事務職として働くことはできない。そこで、面接でも「能力がある」と評価されるよう、事務職の転職や実務で有利になる資格を取得しておこう。
例えば、ExcelやWordについては、マイクロソフトが主催しているMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)や、事務でもPCの環境周りを触ることになるので、経済産業省が認定しているITパスポートの資格も無駄にならない。
また金融系の事務ならFP(ファイナンシャル・プランナー)、不動産会社の事務なら宅建など、事務職で働くのを希望する業界について関連する資格をとっておくのもいい。以下、事務職に有利な資格と公式サイトについてまとめておく。
対策③:転職エージェントを積極的に活用
転職活動するにあたって、ぜひ転職エージェントを活用しよう。転職エージェントは、同じ事務職として働きたかった多くの方々をサポートした経験があり、転職に成功した方々のデータも多数蓄積している。
しかも、募集している企業の情報も持っており、マッチングしそうな企業も紹介してくれるので利用しない手はない。就職活動のスケジュール調整や面接のサポート、履歴書の書き方など、充実したサポートをしてくれるので、積極的に活用しよう。
対策④:事務職の知り合いに相談
実際に、知り合いで事務職として働いている方がいれば、ぜひ働いているうえで、必要なことを聞いてみよう。現場で働いている方の情報ほど、価値のあるものはない。
どんなスキルが必要なのか、どんな資格が有利なのかなど、うまく働くにはどうすればいいかなど、現場レベルで感じていることを教わることができる。そこから必要なこと、不必要なことを選別し、最短距離で転職活動が可能になる。ぜひコンタクトをとって、いろいろと聞いてみてほしい。
対策⑤:正社員だけでなく派遣社員も視野に
最後に、事務職で働くのに正社員だけにこだわっている方はいないだろうか。もし、正社員じゃないといけないと思っている方は、視野を広げてほしい。事務職への転職活動は、正社員になることがすべてではない。
冒頭でも説明した通り、正社員の転職は経験者を優遇しているので厳しい現実もあり、どうしても正社員として働けない可能性も否めない。選択肢を絞れば絞るほど就職活動が厳しくなるのが就職活動の常識だ。
もし、正社員でなければならない理由がなければ、派遣社員でも契約社員でもいいので、事務職として経験を積める職場も狙っていこう。そこで、数年間事務職としての経験を積んだ後、あらためて、正社員の事務職を狙っても問題ない。現場で働くことは最高の学びであり、マイナスになることは決してないはずだ。
人生は長いので、正社員の事務職に転職に成功することがゴールだと思わず、段階を踏んで正社員の事務職として働くことを視野にいれておこう。
事務職への転職が厳しい理由と対策のまとめ

ここまで、事務職の転職が厳しい理由と対策について述べてきた。以下、本記事について簡単にまとめておく。
- 男女ともに人気
- 未経験より経験者を優遇
- ルーティン化されていない仕事が好き
- 人と話すのが辛いと感じる
- スキルを磨く
- 転職に有利な資格をとる
- 転職エージェントを積極的に活用
- 事務職の知り合いに相談
- 正社員だけでなく派遣社員も視野に
データでも示している通り、事務職の有効求人倍率は他の業種に比べ圧倒的に低く、買い手市場となっている。だからこそ、企業側から評価される人材にならなければならない。そのため、未経験の人はぜひ本記事に書いてあることを実行して、将来性を期待されるよう努力していこう。
事務職は、最初は大変であるが、ルーチンワークが多いため、慣れれば仕事ができるようになって楽しくなる。ぜひ、正社員だけでなく派遣社員や契約社員も視野に入れ、事務職として経験できる環境へ積極的に飛び込んでほしい。






