視能訓練士は就職できない!活躍できる場や将来性はあるのか?

眼科などでよく活躍している「視能訓練士」をご存知だろうか。視能訓練士とは、視力の矯正や検査業務を行う視機能のスペシャリストとして、なくてはならない存在である。大学や短大、専門学校へ入学し、試験に合格することで得られる国家資格なのだ。

「視能訓練士は就職できない?」

「現状や給料、将来性はどうなのか?」

視能訓練士としての就職を考えている方の中には、こういったことを疑問に感じている方も多いだろう。視能訓練士はなんとなくマイナーで、働き口が少なそうなイメージがあるので、不安に感じるのも無理はない。この記事では、視能訓練士は就職できないのか?視能訓練士の業務内容や将来性、なるための学校や給料に関して詳しく説明していく。

是非ともこの情報を参考にしてもらい、スムーズな就職活動に繋げてもらいたい。

視能訓練士は就職できないのか?病院での業務内容を解説!

視能訓練士は就職できないのか?病院での業務内容を解説!

視能訓練士とは、緑内障や白内障などの目の疾患、弱視などの視力トレーニングなどが主な業務となっている。

  • 正常な視力への矯正
  • 視機能の検査
  • 検診
  • ロービジョンケア

正常な視力回復のための病院での矯正

この矯正とは、斜視や弱視をもった患者への矯正プログラムを眼科医との相談をしながら、その人に合ったプログラムを作成する業務である。小さな子供はまだ、矯正を適切に行うことができれば、正常な視力回復が充分に可能であるため、視能訓練士による矯正プログラムを作成し、実施していくことは極めて重要だ。

小さな子供だけでなく、大人も時間はかかるが矯正プログラムを行うことによって、視力は回復する。

視機能の検査

視力検査のほかに、屈折検査や眼鏡処方検査、コンタクトレンズの適正検査、画像診断検査などがある。主な検査業務を視能訓練士が行い、最終チェックを眼科医が行うのが一般的である。

視能訓練士は患者の状況を適切に眼科医に提供し、サポート業務を行うために必要な仕事だ。

眼科検診

病気の早期発見、早期治療のために重要なのが眼科検診。就学時健康診査や3歳児健康診査、生活習慣病検診などで視能訓練士が活躍し、検診業務をメインで行うこともある。

必要とされているロービジョンケア

「ロービジョン」とは、目の怪我や病気をきっかけに目の機能が低下してしまう状態のことをいう。このロービジョンによる視力の低下や見え方の異常、目の痛みなど、患者に合わせたケアをしていくのが視能訓練士の仕事である。

補助具の利用や視力のリハビリテーションを通じて、患者の生活の質向上を促すことが重要。

視能訓練士は就職できないのか?需要と現状と将来性

視能訓練士は就職できないのか?需要と現状と将来性

現状では視能訓練士の数、知名度ともに上昇しつつあるが、まだまだ全国的に視能訓練士は人手が足りていない。

視能訓練士の知名度は高まりつつありますが、全国で眼科医は約1万4000人いるのに対して、視能訓練士は約1万3000人しかいません。
眼科医1人につき、2~3人の視能訓練士が必要といわれているため、まだまだ不足しているのが現状です。(2019年3月現在)

スタディサプリ:視能訓練士のズバリ将来性は?より引用

この資料のように、視能訓練士の需要は年々高まりつつあるが、まだまだ人手が不足しているというのが現状である。そのため、働き口はたくさん残されており、就職先は充分にあるといえる。

さらに、昔は矯正や検査業務などの限られた業務しか無かったが、今では眼科一般分野全体へ、視能訓練士の業務の幅が一段と広がっている。また高齢化や視力向上への意識の高まりにより、全体の患者数も増えていっている。つまり、今後の視能訓練士の活躍の場はより一層拡大していくだろう。

視能訓練士の仕事について!卒業後の平均収入は?

厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査を参考にした、視能訓練士の平均年収、月収、ボーナス、平均年齢は以下の通りである。

【視能訓練士の平均年収・月収・ボーナス・年齢】

平均年収 427万円
平均月収 30万
ボーナス 71万円
平均年齢 35.1歳

厚生労働省「令和3年度 賃金構造基本統計調査」より引用
※平均年収は現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。

平均年収は427万ほどであると言われている。医療系の専門職であるが、給料はそこまで高くはない。民間のクリニックは300万~600万ほどと勤務先によって開きがあるが、国立病院で働く場合は「みなし公務員」としての勤務になるため、年収が高めの方が多い。

他にも、都内の自費治療に力を入れているクリニックなどであれば、年収500万円を超える視能訓練士も多いそうだ。勤務地によって収入も大きく変わってくるので、給与もちゃんと見極めて就活を進めたい。

資格取得後の初任給は?

視能訓練士の初任給は平均18~20万円ほどが相場であると言われているが、学歴や勤務先によっても変わってくる。やはり、専門学校、短大卒よりも大学卒のほうが初任給は1~2万程高い傾向にある。手取りは14~16万ほどになり、夜勤や充実した手当がある職場の場合はさらにこれに上乗せされるだろう。

福利厚生としては、勤務する病院での健診やレーシック手術が無料になったり安くなったり、医療費の個人負担を免除受けられたりすることが多い。

視能訓練士は就職できないのか?主な就職先は?

視能訓練士は就職できないのか?主な就職先

視能訓練士の主な就職先を紹介した記事があるので、参考にして欲しい。

日本視能訓練士協会の「視能訓練士実態報告書2015年」によると、視能訓練士の62%が「私立系医療機関」で働いており、33%が「国公立系医療機関」で働いています。

つまり視能訓練士の90%以上が、何らかの医療機関に就職していることがわかります。

医療機関に就職しなかった視能訓練士の残り5%は「養成施設」や「医療機関以外の医療系企業」で働いています。

眼科医療の技術が進歩すれば、活躍の場や視能訓練士のニーズはさらに幅広くなると予想されます。

キャリアガーデン:視能訓練士の仕事内容より引用

視能訓練士のほとんどが、病院やクリニックなどの医療機関へ就職していることがわかる。医療機関以外の仕事として、大学や専門学校などの育成機関や医療系企業への道も選択しに入ってくる。

国公立医療機関と民間の病院やクリニック

視能訓練士の最も多い就職先が民間の病院やクリニック。週休二日制で1日8時間勤務に加え、休日や業務外に監修や勉強会に参加するのが一般的である。残業は少なく、体力的にも余裕があることが多い。

勤務先のクリニックによって色があり、健診や検査業務よりも矯正やリハビリテーション業務に力を入れているところなどもある。就職先を決める場合は、その医療機関の色や雰囲気が自分に合ったものなのか見極めるのが重要だ。

大学などの研究機関

大学に入学し、視能訓練士の国家資格を取った後に企業や病院に就職せず、そのまま大学に残り研究を続ける道もある。高齢化や健康意識の高まりにより、眼科領域の注目度は高まっているため、専門性の高い研究は以前よりも求められている。

短大や専門学校などの養成機関

視能訓練士を志す人は年々増えているため、養成機関の職員の需要も増している。国家資格を取得したのち、病院で実務経験を積んでから母校に戻って教員として活躍する人が多い。教員として活躍するには、視能訓練士の資格とは別に教員資格も必要であるため、大学卒業前に先に取得しておく学生も多いようだ。

医療機器メーカー

求人数は多くは無いが、医療機器メーカの技術営業スタッフとして活躍する道もある。しかし、視能訓練士としての実務経験が必要である場合が多いため、新卒採用で視能訓練士が優遇されることはあまりない。

視能訓練士は就職できないのか?就活のときに注意すること

視能訓練士は就職できないのか?就活のときに注意すること

視能訓練士は年々増えている傾向にあるが、まだまだ人手不足であり将来性も高いことから、就活にはとても有利な資格であるといえる。しかし、ここで紹介することに注意して就活していかないと、思っていたのとは違う結果になってしまうかもしれない。

ここでは、視能訓練士の資格を活かしてどのように就活を進めていけばいいのか解説していく。

病院やクリニックを就職先に選ぶ際に注意すること

まず、あなたが仕事を選ぶ上で何を重要視したいのかを考えよう。給料なのか、スキルアップなのか、実績なのか大切にしたいことは様々だと思う。

多くの視能訓練士が病院への就職をしているが、選ぶ病院によってもメリットとデメリットは大きく変わってくる。ここでは、就職先の病院を選ぶ上で注意しておきたいメリットとデメリットを紹介する。

大学病院

大学病院の一番のメリットは、視能訓練士の先輩が多いことだろう。困った事があったら相談できる先輩がいてくれるのはとても心強い。また、先輩やドクターの人数が多いからこそ、広い人脈ができ、新しく学びたいことに触れやすい環境であると言える。学会発表に参加しやすく、学びを深められたり、先輩方に質問できたりもする。

しかし、デメリットはコンタクトレンズの合わせの経験はあまりできないため、レンズに弱くなってしまうこと。また、手術の現場に入ることができないため、具体的なイメージが持ちにくくなってしまうことだ。

新卒にとっては、学術的なことを幅広く学べるという点でとてもおすすめできる職場であろう。

地域の個人病院

地域の個人病院で働くメリットは、ドクターとの距離が近いため様々なことを教えてもらえること。他にも、コンタクトレンズやメガネ合わせの経験もたくさん積めることだ。

多いのが小学校の健診で視力低下を指摘されて、診察してもらいに来る子供である。近視、斜視、弱視の合併した患者を近くで見られるのがとても良い経験になる。また、手術を生で見られるので、知識として深まりやすい。

デメリットは、1日の拘束時間が長いこと、先輩や同僚が少なく視能訓練士ならではの悩みをあまり相談できないこと、難病の患者はにはあまり出会えないことである。

地域の個人病院はやはり患者との距離が近く、検査や手術などの実践的なことを多く学べる点でおすすめできる。

総合病院

総合病院で働くメリットは、一般外来もレンズ合わせも比較的両方経験できることと、一概に言えないが、大学病院や個人病院に比べて外来に余裕があることだ。

デメリットは、視能訓練士やドクターの数が少ないことと、ある程度の経験とスキルが必要なため、新卒にはあまり向かないことである。同じ視能訓練士のいい先輩がいて、頼れるのであればいいが、そういう場面は少ないように思う。

総合病院は実務経験を積んでから就職するほうが無難かもしれない。

就職時の志望動機の考え方

ここからは就活の自己アピールのときの志望動機の考え方について紹介していく。この内容をもとに、あなたならではの説得力を持った志望動機をまとめよう。

学生の頃にお世話になった経験を踏まえた志望動機

「自分が子供の頃に通っていた眼科で素敵な視能訓練士にお世話になり、自分もこうなりたいと思ったため。」などの内容は自分の経験や体験に基づく、とても説得力のある内容になりやすい。

「自分の親が、視能訓練士で活躍する姿がかっこよかった。」というのも、素敵な理由だろう。視能訓練士の仕事に幼い頃から興味を持っていて、活躍の現場を見てきたことは仕事を始めてからでも役に立つ。

過去にこの職業の方と関わったことを志望動機に使えるのは強い。

仕事の特性もとにした志望動機

例えば、「医療従事者として、視力に悩みを抱えた患者の役に立ちたい。」という内容は視能訓練士ならではの仕事の特性を含み、熱意も感じられるため好感を持ってもらいやすい。

「視力検査やコンタクトやメガネ合わせを通じて患者を笑顔にできるのは、普段からコミュニケーションを大切にしている私にとって、とてもやりがいのあることだ。」

より説得力を持たせるために、このように業務に対して真摯に向き合う姿をイメージさせる内容を含められるともっといいだろう。

これらを参考に、自分の色を出して、誠実さや仕事に対する熱意を伝えられれば、より魅力的な志望動機になるだろう。

視能訓練士は就職できないのか?就職後の現場Q&A

視能訓練士は就職できないのか?就職後の現場Q&A

視能訓練士の就職後、実際の業務の現状はどうなのか、質問形式でまとめた。現役視能訓練士の悩みで多かったのが、「人間関係」と「技術習得」に関することだったため、この2点に絞ってまとめた。

仕事の人間関係に関すること

新人への当たりがきついのか?
医師との折り合いが悪い、人間関係がきついといった職場もあるが、多くのクリニックではちゃんと役割が分担されており、指導も一歩一歩行なっていくので職場選びが重要になってくる。
女性社会でいじめがあるのは本当か?
眼科クリニックの男女比は女性が多いところが多い。しかし、視能訓練士協会の「視能訓練実態調査報告書 2020年」で現役視能訓練士の男女別転職理由を見ると、ハラスメントの経験に男女差は無いことがわかる。つまり、女性社会で特別いじめが多いわけではない。

技術習得が大変

技術の習得が大変なのは本当か?
そういう場合が多い。専用機器の使い方、専門用語の他に、患者や医者、看護師とのコミュニケーションも円滑にできなくてはならないため、日々継続的な学習が必要。周りから必要とされているからこそ、視能訓練士の負担は大きい。
病院での夜勤はあるのか?
基本的に無いところが多い。しかし、通常の業務外で研修や勉強会に参加しなくてはいけないことがあり、給料は発生しないこともある。

総括:視能訓練士は就職できない!活躍できる場や将来性はあるのか?

総括:視能訓練士は就職できないのか?業務内容や将来性はあるのか徹底解説!

今回の記事のポイントをまとめておこう。

  • 視能訓練士は視力の矯正や検査業務を行う視機能のスペシャリストである
  • 視能訓練士の数は徐々に増えつつあるがまだまだ人手が足りておらず将来性も十分にある仕事
  • 医療の専門職にしては年収や初任給はやや低めである
  • 主な就職先は眼科クリニックであるが養成機関や企業への就職の道もある
  • 人間関係に悩んだり、技能習得が大変なことがある

ここまで視能訓練士の業務内容や現状や将来性、主な就職先や就活の際に気をつけるべきことを紹介してきた。

これらのことを参考に、あなたが視能訓練士としての強みや経験を活かして、よりよい就活ができることを望んでいる。