税理士は各種税金の申告書を作成するサポートをしたり、納税のアドバイスを実施することで知られている職業だ。税金に対する幅広い知識、毎年おこなわれる税制改正に対応する能力が求められる仕事で、確定申告を依頼する個人・企業が多いため需要が高い職業としても知られている。しかし、インターネット上で「税理士は就職できない」という意見を目にした人は少なからず存在するのではないだろうか。税理士は本来需要が高いにも関わらず、就活を危惧される原因を本記事ではわかりやすく解説している。将来的に税理士として働きたいと考えている方は、ぜひ記事の最後まで目を通していただければ幸いだ。
税理士は就職できない?就活で苦労すると考えられる5つの原因は?
税理士が就職できないと考えられている原因として、主に下記の5点が挙げられる。
- 税理士試験に合格できない
- 税理士の仕事は将来AIに取って代わられる可能性を危惧されている
- 税理士として就職を希望する事務所や企業を絞り込むことが難しい
- 就活を始めるタイミング
- 有資格者でも税理士事務所や会計事務所に採用して貰えない場合も
税理士の国家資格を獲得するために受けた試験を合格できなかった、という単純なケースだけでなく、多種多様な原因が挙げられていることがわかるのではないだろうか。以下の項目で各原因を順に解説するため、ひとつひとつ理解していただければ幸いである。
その1:税理士試験で合格できない
税理士として就職活動を始める以前に、そもそも税理士試験で合格できなかった人は少なくないのではないだろうか。税理士の国家資格を獲得するには、基本的な知識や応用能力を把握した上で試験に臨まなければならない。税理士試験の概要に関しては国税庁の公式ホームページに詳しく記載されている。
試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)について行われます。
引用元: 税理士試験の概要|国税庁
近年は試験対策に力を入れた参考書が書店で販売されているので、現在「不合格になって就職できないかもしれない」と悩みを抱えている人は参考にしてみてはいかがだろうか。
その2:税理士の仕事は将来AIに取って代わられる可能性を危惧されている
税理士の仕事が就職を危ぶまれている理由の一つとして、AIの存在も無視できない。AIとはいわゆる人工知能のことで、コンピュータが自動的にデータを収集・分析する技術や製品を指している言葉だ。2022年にはTwitter上でAIが自動生成するイラストが話題になっただけでなく、それ以前にも人工知能をテーマにしたエンタメ作品が多かったため、知っている人は多いのではないだろうか。 人々に関心を持たれているAI技術はとても利便性が高く、人間の仕事量を減らす役割が期待されている。しかし、それは現在特定の仕事をしている人にとって立場を追われることでもあるのだ。税理士がおこなう事務作業、とりわけ賃借対照表や損益計算表の作成は今後AIに取って代わられる可能性がある。とはいえ税理士の仕事は単純作業に限らず、クライアントの事業展開をサポート・アドバイスする役割も担っているので、必ずしも全ての作業をAIが担当できるわけではない。今後の発展次第ではあるが、クライアントと直接話し合うのも仕事に含められている以上、税理士の需要は今後数十年以上は変わらないと見てよいのではないだろうか。
その3:税理士として就職を希望する事務所や企業を絞り込むことが難しい
税理士になるために就職活動を始める際、就職できないと悩む人の中には「就職先を決めるのが難しい」と思っているケースも少なくないのではないだろうか。事実、税理士は様々な企業に就職できる。個人が運営する税理士事務所や会計事務所はもちろん、コンサルティング会社や一般企業、独立する選択肢もあるため自分がどうすればいいのか困りがちだ。希望の職場がなく就職できない恐れがある。そういう時は自分の長所を活かせる場所を探してみてはいかがだろうか。 個人の税理士事務所や会計事務所は先輩税理士のサポートを受けられる可能性がある。コンサルティング会社ではクライアントの事業展開を手助けするので、顧客に対するアドバイスなどら直接対応する能力が求められやすい。一般企業の場合は主に従業員の確定申告を担当する。税理士としての実績が既にある、あるいは同業者・顧客のツテがある場合は独立するのも手だ。それでも「就職できないかも」と感じた時は、思い切って就職・転職エージェントなど第三者に相談した上で就職先を決めてみてはいかがだろうか。
その4:競走が激しくなっている時期に税理士を目指す場合は注意が必要
税理士の資格を獲得しても就職できない場合、主な原因として考えられるのは就職活動のタイミングだ。とりわけ税理士試験がおこなわれる8月や合格発表の時期である12月は採用活動が集中すると考えられている。他に税理士を目指す人物が多いため、競走が激しくなっている時期とも言えるだろう。そのタイミングを避けて通年採用を実施する企業を希望する人も少なくないかもしれない。しかし、業界の中には8月・12月などの特定の時期だけに採用活動を実施する企業もみられるため、多くの企業が採用に動く時期に就職活動を始めるのがもっとも効率的だと言えるのではないだろうか。競争率が高いデメリットは、逆に言えば税理士業界の求人に複数応募できるメリットとして考えられる。就活のタイミングを活かしていただければ幸いだ。
その5:有資格者でも税理士事務所や会計事務所に採用して貰えない場合も
中には既に資格を取っているにもかかわらず税理士事務所や会計事務所に採用して貰えない人も居るかもしれない。履歴書の時点で選考から外されたり、面接が終わって数日で不採用通知が届いた時、税理士の夢を諦めかけてしまうケースは少なくないのではないだろうか。しかし諦めるには早い。不採用が続く場合、自己分析を通して就職できない理由を見つめ直すことが大切だ。とりわけ面接時の対応を思い出すべきだと考えられる。面接官に対する無礼はなかったか、言葉づかいや挨拶、身だしなみに問題はなかったかを確認してほしい。それでも自分に非が見当たらなかった時は、先の項目でも言及したように就職先を再検討するべきではないだろうか。 税理士は一般企業やコンサルティング会社、税理士事務所・会計事務所など、様々な企業に所属できる。独立という選択肢もあるので、不採用を機に自分の働きたい場所について考え直してみてはいかがだろうか。
税理士が就職できない時の対処法は?税理士の悩みを解消する手段
先の項目に目を通した人の中には、就職できない時の対処法について知りたいと考える人も居るのではないだろうか。そこで、この項目では税理士の悩みを解消する手段をメインに取り上げている。今後税理士になりたい方は、ぜひ下記の内容を参考にしてほしい。
税理士志望者向けの就職サポートサイト に悩み事を相談してみよう
税理士志望者は就職をサポートするサイトを活用する選択肢を視野に入れるべきだ。文字通り就職活動の支援をおこなうサービスで、税理士事務所が管理するホームページや就職・転職エージェントが実施している。検索上位のサポートサイトの多くはWEB面談をおこなっており、直接相談所に足を運べない人や多忙なスケジュールを抱えている人にオススメだ。税理士業界未経験の人物に向けて試験のレクチャーや就職先の提案をおこなっているので、就職するにあたってどうすればいいかわからない時は頼りにしてはいかがだろうか。税理士の資格を取っていない人も試験対策の相談で利用できるため、検索エンジンを活用してアクセスしてみてほしい。
大学生の場合は大学の就職支援プログラムを利用することもできる
現在大学に通っている人は大学の就職支援プログラムを利用するのも手だ。その一例として明治大学が挙げられる。この大学には税理士や公認会計士を目指す学生に特化した就職支援プログラムがあり、大学職員らによる充実したサポートを受けることができるのだ。一例として挙げた明治大学の該当ページには下記の内容が記載されている。
(中略)本研究科では、開設当初からキャリアコーディネーターを置き、就職等のキャリアデザインについての相談にあたり、安心して学習に専念できるようにしてきました。また、「就職の明治」の長き伝統を支えてきた就職キャリア支援事務室による各種ガイダンス、対策講座、業界研究セミナー、個別相談などの各種就職・キャリア形成の支援を受けることができます。
引用元: キャリア支援プログラム|明治大学
実績も提示されているケースが多いため、税理士を目指す学生はぜひ各大学の公式ホームページを確認してみてほしい。このままでは就職できないかもしれない、そういった不安を第三者に相談するだけでも心境は大きく変わる。具体的なアドバイスの有無でその後の行動も変化するため、就職できない状況を生み出したくない場合は遠慮せず就職支援プログラムを頼ってみてはいかがだろうか。
就職活動の際は転職サイトやハローワークの求人内容に注意が必要
実際に就活をスタートする時、多くの志望者はハローワークなどの就職・転職サイト大手を利用するのではないだろうか。とりわけハローワークは求人情報を気軽に確認できるため重宝される傾向にある。しかし、同時に「企業の求人情報は本当に正しいのか?」という不安を生んでいるのも事実だ。就職後に求人内容が虚偽だったことに気づく悪質なケースも少なくないため、大手サービスだからといって無条件に信用してはならない。怪しい企業の求人に引っかからないためには観察力を鍛える必要がある。ハローワークの場合、税理士事務所のホームページを記載している求人は信頼されやすい。情報がオープンになっているので、事務所の所在地や連絡先、口コミを把握できるからだ。インターネット上の求人の中には架空の所在地を記載しているパターンもあるため、情報の正確さをチェックした後に募集するのが安全だと思われる。また、電話をかけて担当者の対応を確認するのも手だ。就職・転職サイトを利用する人は、希望する企業の実態を把握することを第一に心がけてはいかがだろうか。
税理士として就職できない場合は諦めず様々な手段を試してみよう
税理士として就職できない時、今後税理士試験を受ける人が困った時は様々な選択をおこなうことができる。あらためて先の項目で紹介した内容を振り返ってみよう。
- 税理士志望者向けの就職サポートサイト に悩み事を相談してみよう
- 大学生の場合は大学の就職支援プログラムを利用することもできる
- 就職活動の際は転職サイトやハローワークの求人内容に注意が必要
本記事は税理士の就活を中心に解説しているので、資格を獲得するために必要不可欠な存在である税理士試験の難易度が気になるという人も中には居るかもしれない。税理士試験に関しては、書店で売っている参考書の内容をチェックしたり、以前も触れたように国税庁の公式ホームページを参考にしてみてはいかがだろうか。周囲に税理士として就職している人物が居る場合は直接相談するのも手だ。とりわけ大学生の場合は卒業生だけでなく、大学が提供する就職支援プログラムのサポートも期待できるので、気軽に各種支援制度を利用してみてはいかがだろうか。本記事に目を通した人が就職できない状況を無事に解決してくれていれば幸いである。






