
通勤時間が片道1時間半を超えれば、遠距離通勤になると考えられている。勤務先である職場と自宅の距離が遠い場合、この遠距離通勤をしなければならないケースが多い。勤務先が遠いのは大きなデメリットだ。メリットがないとは言えないものの、真っ先に思いつくのは3つの問題である。本記事では、複数ある問題点を解説した上で「就職先は遠距離通勤のあり・なしで決めるべきなの?」という疑問にわかりやすく答えていく。就職活動を始める前に、この記事で取り上げている内容を参考にしていただければ幸いだ。
就職先が遠距離になる場合に考えられる3つの問題点をチェックしよう

長い時間をかけて職場に出勤する遠距離通勤をしなければならないとき、考えられる問題点は3つある。まずは下記のリストに注目してほしい。
- 通勤時間の長さ
- 移転・転居の可能性
- 人間関係のトラブル
問題点として挙げた内容は、下記の項目で順番に解説する。就職活動を始めるにあたって、なぜ遠距離通勤が問題になるのだろうか。その理由を探ってみよう。
通勤時間に不安や恐れがある

遠距離通勤が抱えるもっとも大きな問題は通勤時間の長さにある。自宅から職場に通うまでの時間が片道1時間以上なだけでも、非常に面倒な問題だとハッキリわかる人物は多いはずだ。それも当然だろう。一日は24時間しかないにも関わらず、貴重な時間を仕事ではなく通勤時間に割かなければならないからだ。往復2時間以上になるのは大きな負担である。特に、遠距離通勤者はストレスや睡眠不足で不健康になってしまう可能性も考えられるのではないだろうか。次の項目では遠距離通勤の問題点をさらに掘り下げていく。
遠距離通勤はストレス?
遠距離通勤が問題になる理由はストレスが生じやすい点にある。前提として、通勤時間は給料が発生しないものだ。労働時間に含まれないため、たとえ会社に出勤するまで1時間以上かかったとしても補填はない。交通費が支給される程度だろう。社会人にとって遠距離通勤はデメリットしか生み出さないものなのだ。通勤時間が問題になった結果、ストレスが増加して会社で働く意欲が失われたり、場合によっては健康を害する恐れもある。特に睡眠不足が起きやすいのが問題ではないだろうか。
睡眠不足の原因になる
遠距離通勤は社会人のストレスを増加させるだけでなく、やがて睡眠不足も引き起こす。睡眠時間が足りなくなるのは、単純に通勤時間が増えることによって自由に使える時間が減るのが原因だ。日々のスケジュールが圧迫されれば生活サイクルは乱れてしまう。単に忙しくなるだけでは済まないのだ。そのため、睡眠不足が巡り巡って生活習慣病などに悪化する可能性がある。
引っ越しが必要になることもある

中には遠距離通勤が決定したことによって新しい住居へ引っ越さなければならないケースもある。自宅と職場の距離が遠すぎる場合、近場に移り住まなければ毎日の通勤が不可能になる恐れがあるからだ。よほど職場が遠くなければ引っ越しは不必要になるものの、急な人事異動で転居する可能性が生まれることは否定できないだろう。
引っ越しの手続きが面倒
引っ越しが必要になった時、もっとも面倒だと感じるのは諸々の手続きではないだろうか。人事異動で別の地方に移住する際は多くの勤務先が会社所有の住宅を用意する。しかし、万が一社宅が用意されていなかった場合は自分で転居先を決める必要があるだろう。社会人として働くのであれば、そうしたビジョンを事前に想定しておくことが大切だ。どうしても遠距離通勤を回避したい場合は就活に力を入れてほしい。業界研究を進めるあいだ、希望の会社で転勤・人事異動が多発していないかどうか確認してみてはいかがだろうか。
恋人や友人と離れ離れになって寂しいと思う・未練を感じる場合も

遠距離通勤の問題点はストレスや睡眠不足を引き起こすだけに留まらず、会社から言い渡された急な転勤命令や人事異動によってもトラブルが発生する。また、引っ越しに伴って恋人や友人、家族と離れ離れになってしまう可能性も考慮するべきだろう。単純に知人と離れるのが寂しいと思うだけでなく、中には遠距離通勤が原因で深刻な問題に発展するケースもある。そのもっともたる例が遠距離恋愛だ。次の項目で恋愛のトラブルに関する内容に言及する。
遠距離恋愛を続けるのが難しい
通勤時間が長くなれば、恋人同士の時間が減るのはもちろん、遠距離通勤をきっかけに転居した場合は遠距離恋愛にまつわるトラブルに巻き込まれがちだ。特に、恋人との距離が離れることによって恋心が薄れて関係が自然消滅してしまったり、パートナーが浮気する可能性が挙げられる。遠距離恋愛を続けるのは難しい。最初は互いに愛しあっていても、徐々に「もう付き合わなくてもいいんじゃないか」「自分より相応しい人物が恋人になるべきなのかもしれない」と悩むようになるのだ。この悩みをパートナーに打ち明けることによって恋愛関係が解消されるケースもあれば、逆に距離が縮まるケースもある。遠距離恋愛を継続するには、互いに信頼を築き上げていなければならない。遠距離通勤になった時点で「恋人のことは信じられる」と自信をもって言えない場合、遠距離恋愛が上手くいかない可能性があるのだ。遠距離通勤者はこの事実を踏まえた上で行動する必要があると言える。
就職後も人事異動によって突如遠距離通勤になるリスクが存在する

就職活動を終え、社会人として働き始めた矢先に「人事異動制度によって遠距離通勤をしなければならなくなった」と悩む人物は決して少なくない。求人情報に記載されていなかったとしても、会社に命じられた以上は転居・人事異動に応じなければならないのだ。しかし、はたして本当に遠距離通勤のリスクを回避する方法はないのだろうか。以下の項目では「就職後の人事異動は拒否できないのか」「病気を患っている場合はどうなるの?」と悩む人物に向けて、転勤命令に関する疑問をわかりやすく解説する。
人事異動は拒否できないの?
会社の人事異動や転勤命令はそもそも拒否できないものなのだろうか。事前に予告されていれば了承する人物は多いかもしれない。とはいえ、急に言い渡された場合は別だ。「できれば断りたい」というのが本音だろう。しかし、人事異動は原則拒否できないと考えられている。正当な理由がなければ拒否できないのだ。ただ「就職後に遠距離通勤しなければならないのは嫌だ」と思っているだけでは断れないため、注意が必要となる。ただし、雇用契約書によって自分の職種・勤務地が限られていることが記載されていたり、人事異動によって被る不利益が大きい、あるいは職権濫用と判断できる場合は拒否可能だ。
病気を患っている人物の場合
中には主治医に「遠距離通勤は困難」と診断されている人物に転勤命令が言い渡されるケースも存在する。病気を患っている人物の場合、急な人事異動に困惑する方が多いのではないだろうか。とはいえ、医師の診断書があれば転勤拒否できる場合もあるので絶対に断れないというわけではない。診断書自体には拘束力がないものの、前述した理由(職権濫用や被る不利益が大きい場合、長期療養が必要になる場合)に当てはまっていれば断れることもあるのだ。また、本人ではなく子供が難病を抱えているケースでは「転勤を断る理由として充分である」と裁判所が認めた判例もあるため、正当な理由に当てはまる。突然異動を言い渡された時は、自分に転勤を断る正当な理由があるかを必ず確認しよう。
利用する交通手段によって遠距離への就職先に通勤できる利点とは?

遠距離通勤が主に3つの問題点を抱えていることは前の項目で語った通りである。しかし、利用する交通手段によっては快適に通勤できる可能性もないとは言えない。徒歩や自転車、電車通勤では大変かもしれないが、別の手段を使っていれば長い通勤時間を上手く活用してメリットに変えられるからだ。特に便利な交通手段として新幹線が挙げられる。新幹線通勤のメリットを詳しく見ていこう。
新幹線を利用した通勤は楽?
新幹線通勤という言葉自体に馴染みのない方は多いかもしれない。通勤と言えば、基本的に徒歩や電車のイメージを思い浮かべやすいからだ。しかし新幹線を利用して通勤する人物は珍しくない。新幹線に乗っている間に英語学習や読書をしたり、ビジネスメールを送信するなど、通勤中のスキマ時間を上手く活用できるからだ。席に座ってリラックスできるため、長い通勤時間を快適に楽しめる。新幹線通勤を利用する人に定期代を支給する会社もあるので、交通費を心配しなくていいのもメリットだ。徒歩や一般的な電車通勤と比べれば非常に楽な通勤手段と言えるだろう。
地域の自治体が遠距離通勤者を対象に補助金を支給するケースも
近年、複数の自治体で遠距離通勤者を対象とした補助金支給制度が実施されている。例えば埼玉県熊谷市では新幹線通勤の定期代を一部負担する補助事業があり、宮城県栗原市では市外勤務地(片道50キロメートル以上)に通う人物を対象に費用を一部負担するなど、遠距離通勤者に嬉しい内容だ。対象者や補助金に関しては各自治体の公式ホームページに記載されているため、気になる方はぜひアクセスしてほしい。
様々な要因が加わって就職後の遠距離通勤が苦にならない場合もある

全国的に遠距離通勤者を対象とした補助金支給制度が広がっている昨今は、遠距離通勤が苦にならない人物も少なからず存在する。特に近年は「通勤中のスキマ時間にできること」を追求する人物が増えてきており、長い通勤時間を活かして資格勉強や読書に手を出す者は少なくない。心持ち一つで遠距離通勤に対するストレスは大きく変わる。遠距離通勤を拒否する方法を探るだけでなく、3つの問題点に上手く付き合う方法を見つけることも大切ではないだろうか。就職活動の際に「遠距離通勤しなければならない職場はどうなの?」と考えるのは自由だが、デメリットだけを見ず、メリットも考慮してほしい。本記事で紹介した自治体の制度を利用したり、通勤手段を変えることで遠距離通勤にまつわるトラブルを解消していただければ幸いだ。






